ロゴとはなんでしょうか?
ロゴと聞くと、ぼくは子どものころによく目にした「小田急百貨店のロゴ」を思い出します。
親に連れられて訪れたデパートのなかでも、このロゴは特にお気に入りでした。
「小」の字と円で構成されたマークは、どこか家紋のようであり、幼いぼくにはウルトラマンの顔のようにも見えました。最初は「顔みたいで面白い!」という印象でしたが、やがてそれが「小田急の“小”」であることに気づき、「文字が顔になっているんだ!」とさらに強く記憶に残ったのです。
振り返ると、この体験にはロゴにとって大切な要素がいくつも含まれていました。
- シンプルな構成で目にとまりやすいこと
- 店名の頭文字を用いて覚えやすいこと
- 親しみなどの感情と結びついて記憶に残ったこと
現代社会には数え切れないほどのロゴがあります。その中で埋もれずに、人の心に残るロゴとはどのようなものなのか。
デザイナーはこの問いに向き合いながらロゴをつくっています。
ロゴの種類・スタイル
ロゴには大きく分けていくつかのスタイルがあります。それぞれの特徴とメリット・デメリットを知ることで、自分たちに合った方向性を選びやすくなります。
シンボルスタイル
マークと文字で構成されたロゴ。世界的なブランドの中には、マークだけで認識されるほど浸透している例もあります。

- 「見る」を重視したロゴ
- コンセプトや理念を反映しやすい
- 旗印のようにブランドの顔として活用できる
- 名前よりもマークの印象が先行する場合がある
ロゴタイプスタイル
文字をベースに装飾や調整を加えたロゴ。

- 「読む」を重視したロゴ
- 名前を直接覚えてもらいやすい
- 扱う分野が広く、特定のイメージに縛られたくない場合に有効
- 名前が長いと記憶されにくいことがある
シンボルと文字の一体型
マークと文字が一体化したロゴ。

- 「見る」と「読む」の両方を狙える
- 世界観を包括的に表現できる
- 小さいサイズでは判別が難しくなる場合がある
ロゴのモチーフ
ロゴはモチーフ選びによって印象が大きく変わります。大きく分けると次の3方向があります。
実在モチーフ(人・動植物・モノ)
そのモノが持つイメージや意味を伝えることができ、親近感を表現しやすい

図形・記号モチーフ(抽象的な形)
本質や理念をシンプルに象徴できる

文字・イニシャルモチーフ
マークで使うと、イニシャルで名前を想起させつつ、視覚的にも印象づけられる

ロゴはコミュニケーションツール
ロゴは、自分たちを伝える「コミュニケーションツール」です。
たとえば、名刺にあるロゴをきっかけに「このロゴには○○という意味があるんです」と自然に会話を広げることができます。ウェブサイトや製品でも、「ロゴに込めた想い」を発信することで、相手の理解と共感を深められるのです。
ロゴは見る人の心に残り、意味を知ることでさらに深く刻まれます。だからこそ、理念やテーマを反映させ、望む印象を正しく伝えることが重要です。

まとめ
- ロゴはターゲットとなる相手の心に残るものを目指す
- スタイルは「見る」か「読む」か、何を重視するかで変わる
- モチーフ選びは狙う効果に合わせて決める
- ロゴは自分を伝えるコミュニケーションツール
- 理念やテーマをしっかり反映し、印象を正しく伝えることが大切